学校法人大阪滋慶学園の卒業式 医療・福祉を支える人材として巣立つ

2017.03.15

近藤学校長から卒業証書と専門士称号を授与される大阪ハイテクノロジー専門学校総代の﨑さんと、大阪保健福祉専門学校総代の今徳さん

近藤学校長から卒業証書と専門士称号を授与される大阪ハイテクノロジー専門学校総代の﨑さんと、大阪保健福祉専門学校総代の今徳さん

 看護師や臨床工学技士、柔道整復師に社会福祉士…。4年制の高度専門士コースを含め医療や福祉の業界と連携して職業人教育を進め、文部科学省が高度な職業教育とみなす「職業実践専門課程」の認定を受けている学校法人大阪滋慶学園の専門学校5校の卒業式が3月8日、9日の2日間、大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪で執り行われました。

 今年、創立30年を迎える大阪滋慶学園では、すでに2万5千人を超える卒業生が医療や福祉の世界などで活躍しています。3月8日(水)には、大阪医療技術学園専門学校、大阪医療福祉専門学校、大阪医療看護専門学校の3校合同卒業式が、翌3月9日(木)には、大阪ハイテクノロジー専門学校と大阪保健福祉専門学校の2校合同卒業式が行なわれました。



大阪ハイテクノロジー専門学校と大阪保健福祉専門学校の2校合同卒業式


 9日の2校合同卒業式では、スーツ姿や着物と袴姿に身なりを整えた学生が、医療、福祉、健康スポーツなどの専門職として、大勢の家族や来賓の方々の祝福を受けて社会に巣立っていきました。この日、“最後の授業”としての卒業式に出席した学生たちの中には31名の留学生も含まれ、これから発表される国家試験の朗報を待って、それぞれの職場に向います。

学校総代の﨑さんと今徳さんに卒業証書と専門士称号を授与


 まず最初に卒業証書と専門士・高度専門士称号の授与が行なわれました。両校の学校総代として、大阪ハイテクノロジー専門学校の﨑健祐さん(臨床工学技士科)と、大阪保健福祉専門学校の今徳千諒さん(看護学科)の2人が壇上に上り、大阪大学名誉教授の近藤雅臣学校長(医学博士)から、「よく頑張りました」と、「卒業証書」と「専門士称号」が授与されました。

近藤学校長 「一日一日を大切に」


 近藤学校長は「皆さんは豊かで健康な社会を構築するために奉仕する職業に就かれます。人の一生は、一日一日を大事に最高の日として過ごすという連続があって、はじめて素晴らしい人生を送ることが出来るのです。長い人生で誰しもなんらかの壁にぶつかるでしょう。しかし、壁はそれをぶち破って人生を切り拓く人の前にしか現れません。壁が現れるのは、一生懸命頑張っている証拠です。だから、あわてずにじっくりと工夫をこらし、様々な手立てを駆使して、壁を乗り越えることが大切です。自分がして欲しいことを相手にも行なう友愛の気持ちを大事にして誇りを胸に素晴しい人生を送って下さい」と言葉を贈りました。
  • 職業人としての心構えを説く浮舟総長
  • 式辞を述べる近藤学校長

浮舟総長 「医療と福祉の連携がキーワード」


 引き続き、同学園理事長でもある滋慶学園グループの浮舟邦彦総長から祝福の言葉が贈られました。浮舟総長は「本日はプロを目指してのスタートの日です。プロが成長していくには原則があるように思います。まずプロは仕事を通して成長するということです。ですから仕事を大切にし、職場を大切にして下さい。スペシャリストとしての基本を大切にして、その仕事を完全にマスターするところまで、自らを高めて下さい。周辺の知識や資格にも興味を持って、学び続けて下さい。これから皆さんの職場では、多職間連携、医療と福祉の連携がキーワードになってきます。人と人をつなぐマネージメントにも関心を持って下さい。そして自信を持って、自分の仕事を大切に、仕事を楽しみながら、自分の道を歩んで行って下さい」と職業人として、人間としての在り方にふれ、卒業生の船出を祝福しました。

米国のグレイズ・ハーバー・カレッジのミンクラー学長から祝辞


グレイズ・ハーバー・カレッジのミンクラー学長の祝辞

 海外提携校からご臨席いただいた、米ワシントン州にある公立の医療福祉系のコミュニティ・カレッジとして知られるグレイズ・ハーバー・カレッジ学長のジェームズ・ミンクラー博士と、上海中医薬大学の呉志新副院長から祝辞が贈られました。
 17年前から大阪滋慶学園と交流をもつミンクラー学長は、今秋からヘルスケアと関連するテクノロジー分野で新たに始まる大阪滋慶学園との医療のパートナーシップについての期待を述べた後、「他者を助けるという医療職者の道を選んだ皆様の賢明さを賞賛したいと思います。日米両国において、歴史上、今ほどヘルスケアに対する需要が高まっている時代はありません。多くのやりがいのある専門分野があるということです。回りを見回せば、医療職者として、十分な準備が整っているクラスメイトがおり、あなたもその一人なのです。だから、これからの職業人生においてあなたはきっと成功するでしょう。尊敬される医療職者、テクノロジストとなるこの卒業の日をお祝いします」と、哲学者らしい表現を交えて祝福の言葉を贈りました。


中国・上海中医薬大学の呉副院長から祝辞


上海中医薬大学の呉副院長の祝辞

 中国からは、上海中医薬大学から鍼灸と看護の2名の副院長が臨席されました。代表して呉志新副院長が祝辞を述べました。呉院長は「『夢~未来に羽ばたけ~』と本日のプログラムにあるように、皆さんは未来に羽ばたいて行かれます。2004年に開始した両校の交流は、合作教育の推進と共に、理解と信頼を深め、多くの成果を挙げてきました。そして今後も広げていけると期待されています。
 昨年9月には、貴校と協力し、本学が主催して第2回アジア臨床フォーラムを開催しました。中国の『論語』には、“友あり遠方より来たり、また楽しからずや”という名言があります。機会があれば、ぜひ本学へおいで下さい」と卒業への祝辞を述べました。


 このあと、地方独立行政法人大阪府立病院機構の遠山正彌理事長や医療機器メーカー、ニプロ株式会社の佐野嘉彦社長ら各界からのご来賓の紹介と、国立研究開発法人国立循環器病研究センターの小川久雄理事長や医療秘書教育全国協議会の日野原重明会長ら各方面から頂いた、卒業生の前途を祝福する多数の祝電が披露されました。

校長賞に小川さんと上畑さん 理事長賞に永野さんと大塚さん


浮舟総長から理事長賞を贈られる大塚さん

 式の途中には、各賞表彰が行われ、校長賞が優秀な成績を修めた大阪ハイテクノロジー専門学校臨床工学技士専攻科の小川良太さんと、大阪保健福祉専門学校社会福祉科の上畑真弓さんに贈られたのをはじめ、大阪府教育長賞が大阪ハイテクノロジー専門学校スポーツ科学科の迫愛恵さんと大阪保健福祉専門学校医療秘書・情報科の吉村菜緒美さんに、理事長賞が大阪ハイテクノロジー専門学校柔道整復スポーツ学科の永野みきみさんと、大阪保健福祉専門学校介護福祉科の大塚麻由さんにそれぞれ贈られました。


 また、「人工心肺装置操作時における灌流量自動調整システムの作成」の研究に取り組んだ大阪ハイテクノロジー専門学校の臨床工学技士科チームと、「VR機器を使用した回想法の効果について~認知症高齢者を対象とした写真とVRによる回想効果の比較調査から~」の研究テーマに取り組んだ大阪保健福祉専門学校介護福祉科と大阪ハイテクノロジー専門学校生命工学技術科の混成チームにJESC(滋慶教育科学研究所)奨励賞が贈られました。

日刊工業新聞社賞とフジサンケイビジネスアイ賞も


  • 日刊工業新聞社の竹本大阪支社長から賞状と記念品を贈られる乾さんと相川さん
  • フジサンケイビジネスアイの両金大阪代表から賞状と記念品を贈られる山口さんと蛭子さん
 さらに皆勤賞や精勤賞のほか、日刊工業新聞社賞が大阪ハイテクノロジー専門学校の乾紘さんら「エナジードリンクが敏捷性と集中力に及ぼす影響について」の研究を行なった柔道整復スポーツ学科チームと、大阪保健福祉専門学校の相川貴俊さんら介護福祉科チームに、またフジサンケイビジネスアイ賞が「アミノ酸トランスポーターAsc2の未同定重鎖サブユニットの探索」研究に取り組んだ大阪ハイテクノロジー専門学校生命工学技術科の山口真奈美さんと、大阪保健福祉専門学校の蛭子萌子さんら看護学科チームにそれぞれの新聞社の大阪代表から贈られたほか、大阪府専修学校各種学校連合会賞など各業界団体からの各賞が優秀な成績を修めた学生やチームに贈られました。

学生の謝辞に会場が感動に包まれました


卒業生一同を代表して謝辞を述べる大阪ハイテクノロジー専門学校の濱﨑さんと大阪保健福祉専門学校の東さん(写真中央部の二人)

 最後に、大阪ハイテクノロジー専門学校柔道整復師学科の濱﨑綾乃さんと大阪保健福祉専門学校介護福祉科の東和輝さんが謝辞を述べ、濱﨑さんは「一番の思い出は、上海中医薬大学での日本では出来ない臨床実習で、命の尊さを感じることができました。私にとってはかけがえのない学校生活でした」と述べ、東さんは「素晴しい仲間に囲まれ幸せな学校生活でした。この学校で得たものを生涯大切にしていきたい」とそれぞれ感謝の言葉を伝えました。また、苦労しながら専門学校に通わせてくれたお父さんやお母さんに感謝の言葉を伝えましたが、苦しかったことや楽しかったことなど、その時々のシーンを思い起こしたのか、感極まってのどを詰まらせる場面もあり、式場に感動を呼んでいました。


ゴスペルによる祝歌「ひまわりの約束」で卒業式終える


 姉妹校の大阪スクールオブミュージック専門学校の卒業生と放送芸術学院専門学校の在校生で構成するゴスペルアンサンブル「ソウルマティックス」による祝歌「ひまわりの約束」が贈られ、卒業生たちは拍手に送られて、謝恩会の会場に向いました。
  • 家族に見送られて社会人へ
  • クラスメイトと記念の写真におさまる卒業生

 
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